2015年5月3日日曜日

黒字を目指すソニー・XPERIAスマホ事業に期待したい事6つ



ソニー業績回復の明るいニュースが報じられました。その一方で、たび重なる巨額赤字を計上し、ソニーの足を引っ張っているとも言われるXPERIA、スマホ事業。アナリスト(分析家)でもなければ内部情報を知り得る事情通でもありませんが、一XPERIAユーザーとして望むこと・期待することを6つ、書いてみたいと思います。

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1. 説明書をわかりやすくしてほしい。年配者・ガラケー組でもわかるように

XPERIA ZL2を購入して驚いたのが、説明書の薄さです。紙一枚に最低限の操作方法と初期設定の仕方が書かれているだけ。ウォークマンアプリの具体的な使い方や、自慢のカメラ機能に関する操作方法は書かれていません。サイト上には取扱説明書(詳細版)なるものが存在するものの、やはりそこで語られる操作方法についても「XPERIAのおいしい機能を使い尽くす」といったものではなく、最低限の操作方法しか書かれていないのです。せっかく機能を詰め込んだとしても、使い方がわからないのであれば無いも同然です。わかりやすく使うことが出来ないのなら、その機能を使わずに、無かったものとして使うしかないでしょう。そうなると、次期スマートフォン選びにおけるXPERIAの優位性は失われます。

「ネット検索で調べれば設定の仕方も操作方法もすぐに出てくるだろう」という意見はその通りで、私もグーグル検索のお世話になりました。インターネットが好きで、日常的に使用している立場の人間であれば、操作方法の検索には苦労しません。しかし、インターネットをそれほど活用しない人、検索が苦手な人、デジタル世代ではない年配の方々が同じようにネット検索を駆使して答えを見つけ出せるのかと問われれば、答えはノーだと思います。スマホを触るだけで全ての操作がなんとなく理解できる、というのは全体数に比べればごく一部でしょう。

4K動画とフルHD動画の切り替えがわからない、ISO50・2070万画素を発揮するマニュアル(M)撮影の方法がわからない。これでは、自慢の機能もあって無いようなものだと思います。多くのユーザーがこれらの高機能を気軽に使いこなすことができれば、次もXPERIAを選ぼうと思うはずです。XPERIAから離れる決意も鈍るでしょう。スペックよりも、自分自身で体験できたことのほうが重要な要素だと思うのです。そのためにも、目玉機能(カメラ撮影機能、ウォークマンアプリなど)の使い方は、わかりやすくしっかりと説明してほしいと感じました。ウェブでのみ閲覧可能な「取扱説明書(詳細版)」が、その役割を果たしているかは疑問です。パラパラとめくる紙の説明書に比べて、「偶然出会う、関心のなかった機能が目に留まる」といった機会についても、PDFでは弱いと感じました。スマホを使い慣れていない年配の方、ガラケーからの乗り換え組の方にとって使いやすいXPERIAであれば、次に買うスマートフォンもXPERIAにしようと思えるはず。そう考えます。

やりすぎのW53CA(340ページ)と、物足りないXPERIA ZL2の説明書(紙1枚)


2. サポート体制の充実。知りたいことを回答してくれる電話サポートを望む

説明書があまり役に立たない。となると、電話サポートが重要になります。しかし機能・使い方の電話サポートを担当するのはソニーモバイルコミュニケーションではなく、ドコモ、au、ソフトバンクなどの携帯事業者。私はわからないことがあると電話による問い合わせをするのですが、正直なところその満足度は高いものとは言えません。XPERIA ZL2で使えるmicroSDカードの最大容量を問い合わせた時、64GBであるとの回答が返ってきました。保留のあいだに製品ページを確認したとき、そこには128GBと書かれていました。そのことを指摘すると、あからさまにサポートの声色や態度が悪くなるのが分かり、嫌な思いをしました。相手がXPERIA ZL2で使えるmicroSDカードの最大容量を64GBだと回答したとき、「これはau側で実際に確認したことだ」と念を押されたので、こちらからも「それはソニーモバイルの公式見解も64GBであると判断して良いのか」と念を押すように訊ね、「はい」と返事を貰いました。製品ページに書かれているのは128GBです。話にならないと感じて一度電話を切り、再度サポートに電話して注意を求めたところ、別な方の応対は納得のいくものでした。ソニーモバイルコミュニケーションズ(製造元)の直接管理下にある問い合わせサポートであれば、このような初歩的な回答ミスは起こり得ないのではと思います(完璧ではないにしてもその可能性は抑えられるはずです)。

現状としてはキャリアの電話サポートに頼るほかありません。ほとんどの電話サポートの方は親切丁寧に回答してくださるので信頼はしているものの、この件があってから疑い深くなってしまったのは事実です。正確な回答が得られない、トラブルが生じたときの対応に信用が置けない等の理由で、気軽に問い合わせようという気は失せました。こちらから念を押して確認を求めたにもかかわらず間違った情報を押しつけたこと、ソニー製品ページと異なる説明に気付いて電話サポートの話をさえぎった瞬間から、あからさまに態度が変わったこと。それらをauに指摘し、注意を求めました。あのサポート対応を見るに、似たような経験、同じように不快な思いをされた方は少なくないと思います。カスタマーサービスで働く方の苦労は容易に想像できるので私も気を遣いつつ話はするのですが、指摘をして逆ギレを起こされたのではたまりません。

ソニーモバイルが直接のサポート部門を設ける、それが難しければキャリアに対しての指導を徹底する、などの対策をしてほしいと思いました。取扱説明書が簡素なものである以上、ユーザーはサポートに頼らざるを得ません。サポートが充実していれば、XPERIAを使い続けようと思えるし、サポートが不満足なものであれば、問い合わせをすることすら高いハードルになってしまいます。製品自体への満足度は非常に高く、素晴らしいものなので、サポート体制の充実をはかることで顧客満足度を高めてほしいと願います。


3. ソニーらしいデザインを簡単に捨てないでほしい

ウォークマンアプリのデザインが、今流行りのフラットデザインへと切り替わりました。多色グラデーションの美しいUI(ユーザーインターフェース、見た目)から一変、そっけない単色、特徴のないデザインへと変わってしまいました。私はこれをとても残念に感じました。美しく、ソニーらしいと感じるUIを含めて、ソニー・ウォークマンだと考えてきました。カセットウォークマン、MDウォークマン、そしてタッチパネル搭載のウォークマンを使ってきた中で一貫して感じてきたことです。しかし、近年流行りのフラットデザインに押され、XPERIAウォークマンアプリのデザインもあっさりと味気のないものへと進化(退化)してしまったのです。長く受け継がれてきたソニーの魅力、デザインセンスが、こんなにもあっさりと終わりを告げてしまうのかと、不思議に思ったくらいです。

今後新たなデザインが流行した時、ウォークマンアプリはそれに飛びついてしまうのか。伝統を感じさせる美しいデザインを切り捨てて、流行の意味やユーザーの評判が不透明なフラットデザインへと切り替わったのを見て、ソニーらしいデザインを簡単に捨てないでほしい、と感じました。フラットデザインの中には、見やすくて美しく、フラットデザインたる意味をきちんと成しているものも沢山あります。好みとは言えませんが、アルバムアプリやビデオ、ウォークマンアプリのアイコンに関しては視認性を損なうことなく、うまくフラットデザインへと対応させたと感じています。しかし、ウォークマンアプリのデザインに限っては、チープで地味なデザインになったことが悔やまれます。

(左)変更前 (右)変更後


4. こんなにも分かりやすい“失敗”は犯さないでほしい

XPERIA ZL2(au SOL25)ではインカメラ性能が切り捨てられました。セルフィー(自分撮り)という単語がメディアでも盛んに登場するようになった2014年5月発売にもかかわらず、インカメラ画質は31万画素。あって無いようなものです。自分撮りを楽しみにしていたユーザー、とりわけ女性の方には残念な仕様となっています。ふだん自分撮りをしない人であっても、風景と自分を同時に写し込みたいというシチュエーションは訪れます。旅先、珍しいオブジェ、家族・友人と写真を撮るとき、31万画素のインカメラはあまりに非力です。1920×1080ドット(207万画素)のフルHDディスプレイに31万画素の写真を表示するわけですから、当然解像感のカケラも感じられない酷い画質です。

XPERIA Z3(au SOL26)のインカメラは220万画素へと復活。さらに最新スマホ・XPERIA Z4、タブレット端末・XPERIA Z4 Tabletにおいてはインカメラが510万画素に進化しています。これを見るに、インカメラ31万画素のXPERIA ZL2が自分撮りの楽しさを切り捨てたことは明白です。自分撮り全盛の現代にあって、インカメラ31万画素という決断は女性ユーザーを無視したも同然だと感じるのです。「XPERIAのインカメラは自分撮りが汚いよね」と思われたら、そのユーザー(自分撮りを好む人)はきっとXPERIA以外のスマートフォンを次期購入端末として考えるはずです。

ハイスペックが語られるXPERIA、その中で女性にわかりやすくアピールできる数少ない機能のひとつがインカメラです。XPERIA Z4がインカメラを重視したモデルであり、ソニーモバイルが自分撮りを重要視している事実を知ったとき、XPERIA ZL2のインカメラ(31万画素)は明らかな“間違い”“失敗”だったのだと再認識させられました。au専売モデルのXPERIA ZL2(SOL25)発売前にソニーモバイル・KDDI間で、どのような協議が行われたかは分かりません。しかし、すべてのメーカーが力を入れるインカメラを無いも同然の31万画素に仕立てたことは納得できるものではありません。事実、XPERIA Z3(SOL26)では220万画素、XPERIA Z4、XPERIA Z4 Tabletでは510万画素へとスペックアップしています。このような分かりやすい失敗、決断は下してほしくないと願います。

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5. 女性ユーザーに愛されれば、XPERIAはもっと売れる

近年のXPERIAユーザー男女比はわかりません。博報堂DYホールディングス調べ(2013年末実施アンケート)によれば、スマートフォン保有率は男性50.1パーセント、女性58.9パーセントとのことです。ガジェット好きな男性がRAMやCPUのスペックを調べ尽くしてXPERIAを選ぶのと同様に、女性であれば最も身近な自分撮りに惹かれてXPERIAを選ぶのかもしれません。XPERIA ZL2インカメラの“失敗”を繰り返すことなく、今後も女性ユーザーに愛想を尽かされることのないXPERIAであってほしいと思います。XPERIAが急に丸みを帯びたり、ピンクやオレンジばかりがカラバリを占めるような変化は決して望みませんが、機能や体験の部分で女性ユーザーにアピールできるポイントを増やしてほしいと願っています。XPERIAが女性からも愛されて売上の底上げに成功すれば、我々男性ユーザーにとっても喜ぶべき状況、XPERIAの発展が期待できる事態だと思います。

ソニーは2014年8月、香水瓶を模したデジタルカメラDSC-KW1を発表しました(女性のための自分撮り香水瓶DSC-KW1の美しさをXPERIAに)。中国市場向けのモデルであり、自分撮りに特化した女性専用とも言うべき仕様です。DSC-KW1の製品ページを見た時、自分撮りを好む女性ユーザーに訴えるページ作り、統一感のある美しいデザインに感嘆させられました。新時代のソニーさえ予感しました。女性ユーザーを取り込むことが出来れば、単純に売上はアップします。XPERIAの男性的な部分は失わず、インカメラなどの機能で女性ユーザーを取り込んでほしい、女性ユーザーを取りこぼさないでほしい、と願っています。

SONY DSC-KW1


6. ユーザーの声が届きやすい、ソニー・XPERIAであってほしい

VAIO株式会社のスマートフォン・VAIO Phone(バイオフォン)は、VAIOファンの期待を裏切るものとして不評を買いました。ソニー時代のユーザー意見を無視したようなデザインとスペック、販売姿勢。XPERIAが同じ失敗を犯さないためにも、ユーザーの意見を聞くという作業はとても重要だと思います。ユーザーを無視した製品開発・販売をすればユーザーは離れるだろうし、ユーザーが何を求めているのかを理解することができれば、離脱を防ぎ、ハートをガッチリ掴み続けることが出来るのでないかと思います。ウォークマンアプリのフラットデザイン、31万画素のインカメラ(XPERIA ZL2)などがユーザーからどのような評判をもって迎えられているのか。それはソニーが想像するだけでは分かり得ないことだと思います。単純に、ユーザーに聞いてみればよいと思うのです。その機会が大々的に設けられたことが今まであったとは思えません。

ソニー全8事業のうち、唯一利益を改善できなかったスマホ事業。ならば、XPERIAを購入するユーザーが何を求めているのか、それを聞くという作業が一番の近道であると思うのです。見た目、質感、デザインに関しては完璧。少なくとも、デザイン工学を学ばない者にとっては発想のできない素晴らしさ、美しさを持っています。「ソニー黒字転換へ」のニュースが報じられた時のニュースコメント欄でも、XPERIAの機能、デザインは高い評判をもってユーザーから受け入れられている様子がわかりました。私には意外だと感じるほどです。辛辣な批評、指摘ばかりが展開されるニュースコメント欄ですが、XPERIAの存在を好意的に受け止めるユーザー、ソニーに期待する人の数の多さに驚きました。ではなぜXPERIAが赤字を記録し続けるのか。日本のXPERIAユーザーが求めるもの、そして重要マーケットである海外のXPERIAユーザーが真に求めるものは一体何か。その答えを手に入れるためにも、ユーザーの声が届きやすいソニー・XPERIAであってほしいと願います。

これらのことを願う理由は至って単純です。スマホ事業の売却・撤退、XPERIAブランドの消滅などがあっては困ります。使いやすさで売れてほしい。XPERIAの男性的な部分は失わずに、女性に受ける要素も磨いてほしい。XPERIAという端末への評価はすこぶる高いものだと思うので、目に見えにくい部分での改善がいっそうはかられることを期待したいと思います。

■ソニー、一転黒字に。15年3月期の営業益200億円。テレビの収益改善(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/markets/kigyo/gyoseki.aspx?g=DGXLASGD04H9C_04022015EA2000

■高音質マイクロSDカードは散々な言われようでした
ソニーSR-64HXA高音質microSDカード騒動に思うこと

■VAIOのスマートフォンも叩かれました
バイオのスマホ、VAIOフォンの挑戦と騒動に思う事

■理屈っぽいことは抜きにして、EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)を聴いてみてください
EDMおすすめ代表曲2015・初心者が秒速でハマる9つの聴き方

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