2017年4月8日土曜日

microSDカードを個人輸入する意味はある?メリット&リスク



microSDカードは内外価格差が激しいため、国内正規品と並行輸入品の値段が大きく異なります。

microSDカードを個人輸入するメリット・デメリットを考えてみました。



microSDを個人輸入するメリット


microSDを個人輸入することで得られるメリットは、


1. 国内未発売のmicroSDを入手できる

microSDカードは国内未発売モデルが多数存在します。日本で販売されていないマイクロSDを手に入れたいという目的を叶える手段として、個人輸入は有効な手段です。

ただし風見鶏をはじめとするメモリ専門店では、現地価格とそれほど変わりない値段で国内未発売マイクロSDを販売しています。輸入の手間とリスクを考えれば、こうしたメモリショップで購入するほうが手軽だと思います。


2. 内外価格差を利用して安く入手できる

microSDカードは国内価格と海外での価格が大きく異なります。内外価格差を利用してマイクロSDを安く入手したいという目的を叶える手段として、個人輸入は有効な手段です。

サンディスク、東芝、ソニーのmicroSDは国内価格が高く、海外では安く販売されています。製品によっては数千円~数万円の内外価格差があるので、個人輸入を検討してみる価値があります。

しかし風見鶏や@memoryなどのメモリショップでは、個人輸入の旨味が消えるほどの破格で「並行輸入品」のマイクロSDを販売しているので、わずか数百円~数千円を浮かせるために個人輸入のリスクと手間をかけるのは賢明ではないように思います。

サムスンやレキサーはメーカー自身が内外価格差の解消に努めているので、海外と変わらない安値でmicroSDを購入できます。パナソニックは海外価格が国内価格と変わらないほど高価なので、個人輸入のメリットはありません。



microSDを個人輸入することのデメリット・リスク


microSDカードを個人輸入することで生じるデメリット・リスクは、


1. 日本国内でのメーカー保証が受けられない

microSDの国内正規品が高く、並行輸入品が安いのは常識です。国内正規品にはメーカー保証やサポート対応にかかる費用も上乗せされているため、それらが含まれていない並行輸入品は当然ながら国内での保証・サポートを受けることができません。

たとえば東芝のmicroSDカード。国内正規品であればメーカー5年保証を受けることができますが、並行輸入されたものは国内メーカー保証を受けることはできません。

Amazonや楽天では、ショップ独自の「3年保証」などが付けられている場合があります。メーカーとは無関係の保証内容になることに注意が必要です。メーカーに問い合わせても対応してもらうことはできません。


2. 日本国内のメーカーサポートが受けられない

不具合が生じた場合や、初期不良があった場合に、日本国内のメーカーサポートを受けることができません。

並行輸入品は「正規の流通経路を介していない商品」と見なされるので、メーカー側も対応ができません。購入先のショップに問い合わせるか、販売地域のメーカーサポートに問い合わせなければなりません。





「個人輸入されたmicroSDは買わない」が賢明


個人使用のために、あなた自身がmicroSDを個人輸入するのはアリだと思います。

しかし、「転売目的」で個人輸入されたmicroSDをヤフオクなどで購入するのはやめたほうが賢明です。


1. ニセモノ・偽造品を買わされるリスクがある

microSDに偽物が存在することは有名。特にサンディスク製品はターゲットになりやすく、偽物の報告が多数寄せられています。

Amazon.com(米国)で偽物が販売されていたケースもあります。オークションサイト・eBayでは当たり前のようにmicroSDの偽造品を目にします。

microSDは内外価格差の大きさゆえに「転売商材」として目をつける個人もいるようですが、「商材の一つ」としてしか見ていないので専門知識に乏しく、知らずのうちに入手した偽物マイクロSDをヤフオクやメルカリで販売し、トラブルを起こしているケースを多々目にします。

メモリ専門店の場合は、確立された仕入れ先と専門知識があります。浜田電機運営の「秋葉Direct」、内田商事運営の「風見鶏」はどちらも実店舗を運営。設立年やネットショップ運営期間も長いことから、信頼できるメモリショップとして有名です。

危険を冒してまでヤフオク・メルカリ等で個人から購入するメリットが見当たらず、「安い」という理由で128GBなどの大容量を買った場合、ニセモノの危険性が非常に高いのでオススメしません。

偽物のマイクロSDカードってどんなの?容量偽装など偽造microSDの具体例を紹介


2. トラブル時の対応を期待できない

ショップの場合、トラブルによって評判を落とすことがリスキーであることを承知しているので、誠実な対応(少なくともそれなりの対応)を期待できます。

トラブル対応もマニュアル化されているため、スムーズな対応を期待できます。返品なのか交換なのか、返金なのかといった状況判断も的確におこなわれる可能性が高いです。

個人の場合はショップのような「看板」がないので、トラブル対応を放置する、返品返金を受け付けない、電話やメール対応が雑、トラブル解決がスムーズに進まない、といったリスクが考えられます。

ヤフオクやメルカリの評価欄を見ても、まともな対応をしていないケースや、友達感覚の文面で購入者にストレスを与えているケースが多々見られます。副業感覚の「個人輸入転売」という性質を考えれば、メモリショップと同等の知識・対応を期待することは不可能。やはり信頼できるメモリ専門店での購入がおすすめです。

メモリショップ「風見鶏」の評判&評価|品揃えと安さでオススメの専門店



microSDを個人輸入してみた体験談


私はサンディスクの200GBを、Amazon.com(米国)で購入しました。

2015年当時の価格は、国内正規品が約4万。並行輸入品が約1万5千円。Amazon.comでは99.99ドル。送料を含めると「3~4千円安く買える」程度だったので、価格的な旨味はそれほどありませんでしたが、海外専売の東芝クロームブック2を買うついでに注文してみました。

アマゾンが販売・発送する「Amazon Export Sales LLC」から購入したので、偽物のリスクはゼロ。ところが、届いたmicroSDカードのラベルは正規のものではなく、「Ultra」であるべき製品名が「Ultra PLUS」になっていました。

個人輸入した商品なので、国内サポートに問い合わせるわけにはいきません。米国のカスタマーケアにメールで問い合わせ、複数回のやり取りを交わした後、「商品が正規品であること」「ラベルの誤字はミスであること」が確認されました。

個人輸入で得られた金銭的な利益(数千円)と、メーカーサポートを受けるために費やした時間的コストが釣り合わず、ほろ苦い経験となりました。



まとめ|microSDを個人輸入するメリットはないと思う


2015年当時は200GBの内外価格差が大きかったので、個人輸入する価値がありました。

しかし現在では、米・Amazon価格が77.73ドル。日本のAmazon価格が9700円程度となっており、個人輸入する価値はありません。256GBに関しても同様で、国内正規品が17,800円。米・Amazon価格は159.95ドル(SAMSUNG EVO+ 256GB)。

1ドル70円台を記録した2011年ごろは、あらゆる製品で「個人輸入をおこなうメリット」が存在しました。私自身もAmazonやeBayなどで2000回近く買い物をしてきたので、個人輸入のメリットや楽しさは実感しています。

しかしmicroSDカードに限っては、上述した理由により「個人輸入するメリットがあまり感じられない」という結論に至っています。

海外とそれほど変わらない値段で販売している風見鶏などのメモリ専門ショップでの購入をおすすめします。そして、個人が「転売目的」で輸入販売しているヤフオク・メルカリのmicroSDはトラブルも懸念されるので購入はおすすめできない、というのが本記事の総論です。




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