2017年1月30日月曜日

偽物のマイクロSDカードとは?容量偽装やmicroSD偽造品の具体例を紹介


偽物のマイクロSDカードってどんなの?容量偽装など偽造microSDカードを紹介

偽物のマイクロSDカードとは、具体的にどのようなものかご存知でしょうか?

偽造品の手口、見分け方、模造品microSDを購入しないためのテクニックをご紹介します。





「偽物のマイクロSDカード」とは?その具体例を紹介


偽物のマイクロSDカードについて、噂を聞いたことがあるかもしれません。偽造品を掴まされないように警戒している方も多いはず。

「ニセモノのmicroSDカード」とは、どのようなものかをご存知でしょうか?具体例をご紹介します。



容量偽装


「偽物のマイクロSDカード」で最もポピュラーな手口は、容量偽装です。

「128GBのmicroSDXCカードを購入したのに、実際の容量は8GBしか無かった」というのは、ニセモノmicroSDカードの典型例。


存在しない大容量


この世に存在するマイクロSDカードの最大容量は、256GB

256GBを超える容量のマイクロSDカードは存在しません(2017年1月現在)。512GBや1024GB(1TB)のmicroSDカードが売られていたら、それは偽物。カードの中身は8GBしかないニセモノです。


64GB以上なのに「microSDHC」


64GBや128GBのマイクロSDカードの商品写真・タイトルに「microSDHC」の文字を見つけたら、それは偽物のサインです。

「microSDHC」とは容量をあらわす呼称。4GB・8GB・16GB・32GBだけが適合する規格です。64GB以上の容量はmicroSDHCではなく「microSDXC」規格。「64GBのmicroSDHCカード」など存在しません。


上が正規品で、下がニセモノ。容量64GBなので「microSDXC」であるべきロゴが、偽物は「microSDHC」になっています。イギリス在住のクソ野郎が50ドル前後でebayに出品中。評価欄はネガティブなもの(悪い評価)ばかりです。


512GBのマイクロSDカード 偽物



ebayで見つけた、512GBの偽物マイクロSDカード。

microSDカードの最大容量は256GB。512GBなど存在しないのでニセモノ。512GBにもかかわらず「microSDHC」ロゴがあるので偽物。メルカリでも2500円~3000円で出品されているのを確認。

パッケージとmicroSD本体にメーカー表記がなく、怪しさ満点。ちなみに「Memory Card」とだけ書かれたこのパッケージは、偽物マイクロSDカードで多く使われるパッケージの「代表選手」の一つです。


サンディスク(SanDisk)の偽物マイクロSDカード



画像左はサンディスク(SanDisk)の256GB 偽物マイクロSDカード。

256GBなのに「microSDHC」表記なのでニセモノ。本物であれば95MB/s 633xの読み出し速度が正解なのに「30MB/s 200x」となっているので偽物。そもそもパッケージデザインが違う。

画像右はサムスン(SAMSUNG)の256GB 偽物マイクロSDカード。

256GBなのに「microSDHC」表記なのでニセモノ。サムスンは「EVO」シリーズから256GBを発売していないので偽物。「EVO+」シリーズのみ256GBのmicroSDXCカードが存在する。カード本体のプリントも粗雑なので、一発でニセモノだと判別可能。

サンディスク microSDカードの選び方|おすすめはExtreme PRO、注意点も


SanDiskを模した、「XPANDISK」まで誕生!



サンディスク(SanDisk)の偽造品、XPANDISK(エクスパンディスク)というメーカーの偽マイクロSDカードを発見しました。

左:SanDisk Extreme PRO SDXC 512GB(本物)
右:EXPANDISK Extreme GOLD microSDHC 512GB(偽造品)

microSDカードに「512GB」という容量は存在しません。256GBが最大容量なので、XPANDISKのマイクロSDカード512GBはあきらかなニセモノです。

サンディスクの偽造microSDカード、「XPANDISK」の512GBを紹介


サムスン(SAMSUNG)の偽物マイクロSDカード



左がフリマアプリで見つけた偽物マイクロSDカード。右は本物のパッケージ(8GB)。

512GBのmicroSDカードは存在しないのでニセモノ。サムスン「PRO」シリーズの本物は読み出し90MB/s・書き込み80MB/sが正解であり、「読み出し70MB/s・書き込み20MB/s」という低速度はありえないので偽物。

出品者が掲載していたパッケージ裏面に「MB-MG8GB」の製品型番を確認。これはサムスン8GB microSDHCカードの型番。容量512GBに偽装したニセモノであり、中身は8GBしかない「容量偽装」の典型的な事例。

4,500円前後で落札されていました。中身である8GBの相場は5~8ドル。型落ちしたMB-MG8GBの仕入れコストはさらに安価だと推測されます。

サムスン microSDカードの失敗しない選び方|PRO+とEVO+の違いは?


ebay・ヤフオクで「512GB」を買ってはいけない



画像左は、ミシガン在住のクソ野郎がebayに出品中の偽物マイクロSD 512GB。ADATA(エイデータ・テクノロジー)も偽物マイクロSDカードのターゲットに狙われやすいメーカーです。

画像右はネットオークションで見つけた、サンディスクの偽物microSDカード512GB。

容量の表記部分があきらかに加工されています。「512GBのマイクロSDカード」というのも存在しません。ダサいフォントの代表格「創英角ポップ」を用いた商品アピールが購買意欲を減退させる、ウルトラ級の偽造microSD。

5000円前後で落札され、案の定揉めていました。


Amazonにもあった、偽装品microSDXC 128GB

アマゾン(Amazon.co.jp)でも、偽造品microSDXCカード128GBの存在を確認。

・ メーカー記載なし
・128GBなのに「microSDHC」ロゴ
・レビュー評価は星ひとつ

偽物のマイクロSDカードにありがちな条件を満たしています。

右下のイエローで囲われた警告文に注目してください。「調査中の商品」として販売停止措置が取られています。さらに64GBの価格も現在相場より1000円ほど安く設定されています。このような商品に遭遇した場合、いくら安くても買ってはいけません。レビューの熟読もお忘れなく。

レビュー評価コメント
・携帯電話、ゲーム機で認識せず。フォーマットもできません
・読み込みもしないし全く使えない
・読み込みエラーで使い物にならない
・ファイルの書き込みが恐ろしく遅い(10MB/s以下)
・購入3日目で読み込み不良

amazonで偽物のマイクロSDを買わないよう要注意!



狙われやすいメーカーは?


偽物のターゲットとして狙われやすいメーカーは、サンディスク(SanDisk)

世界有数のトップブランドなので、みんなが欲しがります。正規品は高価なので、安く売られていれば飛びつきます。「欲しがる人が多い&利幅が大きい」という理由で、サンディスクのmicroSDカードは世界的にもニセモノが多いことで有名。2011年には当時レートで約7千万円分のSanDisk偽造品がアメリカで押収された事件がありました。

最近ではトランセンド(Transcend)の偽物マイクロSDカードも目立ち始めました。トランセンドという会社は、「安さ」で人気のメーカー。偽物を販売するメリットは薄いと考えられてきました。しかしメーカーの知名度が高いことや、最近のNAND供給不足にともなうメモリ製品の価格上昇を受けて、「Transcend製品をさらに安く入手したい」というニーズが、同社のニセモノを蔓延させてしまったようです。

サンディスクの偽造品、XPANDISKのマイクロSDカード512GBを紹介



ターゲットになりやすい容量は?


128GBが最もキケン。警戒すべき容量です。

128GBの正規品は、最低でも4~5000円台で売られています。これがもし1000円~2000円台で販売されていたら…。「おかしい」と怪しむヒトがいる一方で、「掘り出しモノ発見!」「このチャンスを逃すわけにはいかない」と飛びついてしまうヒトもいます。お得感で思考が停止状態となり、偽物のサイン(出品者評価・コメント内容など)を見逃してしまいます。

512GBや1024GBなどの「存在しない超大容量」も、利幅を大きく見込めるため、ニセモノ業者に人気。64GBは利幅が小さいので人気薄と思われがちですが、薄利多売で「数をさばいて利益を確保する」という考えの下、けっして少なくない数が販売されています。

8GBや16GBはもともとの値段が安いため、ニセモノを売っても利幅が小さく、ターゲットにはなりづらい容量です。


ニセモノの販売が確認できた場所


ヤフオクやメルカリなど、個人売買は要注意。

オークションサイトやフリマアプリは狙われやすい場所です。偽物のマイクロSDカードが売られています。トラブルに発展しているケースを多数確認できました。

「容量偽装」が主なトラブル事例。相場より数千円も安いor半額以下で売られている128GBや64GBは危険です。出品者評価のコメント内容を見ればすぐに「ニセモノ」だと分かりますが、そもそもこうした個人売買でマイクロSDを購入すること自体、推奨されません。

Amazon.co.jpや楽天市場でもニセモノがないわけではありません。しかし、ヤフオクやメルカリと比べて「個人の出店・販売がむずかしい」ことや、「偽物被害が多数報告されればネットショッピングモールから退場させられる」といったペナルティがあるため、一定の注意を払っていればヤフオク・メルカリよりは安全かと思います。



偽物マイクロSDカードの発信源は、海外


偽物のマイクロSDカードは、海外で製造されています。

エレクトロニクス関連の偽造部品は、中国での製造がダントツであり、次に半導体ファウンドリー産業の売上高シェア世界一を誇る台湾。フィリピンやマレーシア、インドなどでも偽物が製造されていますが、メモリーカードに限って言えば中国が圧倒的です。

海外ではebayやamazon.com、Facebookグループ内の販売によって、偽物マイクロSDカードが蔓延しています。ebayにおけるニセモノの出品地域も、中国が1位。日本のアマゾン(amazon.co.jp)においても、ニセモノと疑わしき出店者(評価・コメントから推測)は、いずれも上海在住者でした。


転売ヤーによって、日本国内に流入する


「ebayで仕入れれば送料込みで2千円。利幅が大きいので転売にピッタリ」

そんな記事を見かけました。おそらくメモリ製品知識や偽物の情報などには興味・関心がなく、「安く仕入れて高く売る」ことができれば商材はなんだっていい、という感じに見受けられる内容でした。当人に「偽物を販売している」という自覚がないこともタチが悪く、偽物マイクロSDカードの販売に歯止めがきかない原因だと思われます。

彼らはebayやAmazon.com、中国の商材サイトで相場の数分の一以下で売られている偽造マイクロSDカードを購入し、ヤフオクやメルカリなどで売りさばきます。偽物であると知ってか知らずかは分からないものの、落札者・購入者からの評価コメントで「容量偽装のニセモノmicroSDカード」であることはすぐに発覚するのですが、利益確保のために全てを売り抜ける必要があるため、素直には返品・返金要求に応じることなく、結果としてトラブルに発展します。



偽物のマイクロSDカードを買わないためには?


国内正規品を買う
これが最も確実な方法。日本国内の正規の流通ルートを介して、ヨドバシやビックカメラなどで販売される「国内正規品」を買えば、偽物マイクロSDカードを買わされる心配はありません。

オークション、フリマアプリ、中古、個人取引は要注意
ヤフオクやメルカリなどの個人売買は、偽物マイクロSDカードが横行しやすい環境が整っており、要警戒です。アマゾンや楽天市場などのショップとは違って参入障壁が低いため、転売ヤーに狙われやすく、製品知識のない個人が「無自覚でニセモノmicroSDカードを販売する」といったケースも起こりえます。

microSDカードと「無関係な商品」を併売していたら要警戒
ヤフオクやアマゾンにおいて、microSDカードといっしょに洋服などの「無関係な商品」を販売しているケースが見られます。マイクロSDカードを「転売商材」の一つとして扱っている疑いが強く、出品者にメモリ製品の知識がない、ゆえに偽物マイクロSDカードを無自覚に販売しているケースがあります。

レビュー、評価コメントを熟読する
アマゾンであれば、レビューは必ずチェックしましょう。偽物と疑わしきマイクロSDカードには、複数の指摘コメントが書かれています。ヤフオクであれば、悪い評価・どちらでもない評価をチェック。取引内容はもちろん、出品者の応対コメントからも転売業者らしさ溢れる素性が滲み出ていたりするので、「買ってはいけない」の判断材料になります。

誤ったレビューに惑わされない
レビューを参考にすべしと上述しましたが、ニセモノを警戒するあまり、「誤ったレビューや指摘コメント」を信じ込んでしまってはいけません。
「SanDisk製品なのにMade In China…偽物だ!」⇒組立・梱包などは中国工場
「東芝製なのにパッケージが中国語…騙された!」⇒中国向けパッケージの並行輸入品
「64GBを買ったのに58.8GBしかない!」⇒実際に使用できる領域、実容量は異なる
「公称90MB/sなのに45MB/sしか出ない…詐欺」⇒パソコンやSDカードリーダーがUSB 3.0でなければ最大スピードは発揮できない。スマホの場合は上限50MB/sである場合がほとんど

⑥ 並行輸入品は「信頼できるショップ」から買う
海外から輸入される「並行輸入品」を買う場合は、信頼できるお店から購入しましょう。「風見鶏」はメモリ専門店としてNo.1の知名度を誇るショップで、私も頻繁に利用しています。「秋葉Direct」は昭和23年創業の浜田電機が運営。秋葉原に実店舗を構えています。

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